今日は、デザインハウス甲府が断熱材をグラスウールに拘る理由についてご紹介したいと思います。
そもそもグラスウールとは、どんな素材でしょうか?
グラスウールは、繊維系の断熱材でガラス繊維の綿状の素材です。
簡単にご説明をすると、原料はガラスで固体のガラスを高温で溶かして、細かい繊維状に加工し成形したものです。
その形状がウール素材のように見えることから「グラスウール」と呼ばれています。
グラスウールは、カラス繊維が複雑に絡み合い、その無数の隙間が空気層となります。
その空気層の空気を固定することで、熱を伝わりにくくする構造となっています。
建築物の様々な箇所(屋根・天井・壁・床・空調の配管など)に断熱材として使われています。
グラスウールの断熱性能について
グラスウールの断熱性能についてご説明をしたいと思います。
一般的に断熱性の高さは、熱伝導率によって判断されます。
グラスウールの場合、ガラス繊維の密度が高いものほど断熱性に高くなり、逆に密度の低いものほど断熱性は低くなります。
グラスウールの密度と熱伝導率を表にまとめてみました。
繊維密度 | 熱伝導率(W/m・K) | |
通常品 | 高性能品(例) | |
10Kg/㎡のグラスウール | 0.050以下 | 0.043以下 |
16Kg/㎡のグラスウール | 0.045以下 | 0.038以下 |
24Kg/㎡のグラスウール | 0.038以下 | 0.036以下 |
見て頂くと分かる通り、繊維密度が高くなると熱伝導率は下がります。
熱伝導率が下がるということは、熱を伝えにくいということなので、断熱性能は高くなります。
グラスウールのメリットとデメリット
次はメリットとデメリットについて紹介をしたいと思います。
メリット
コストパフォーマンスに優れていて、環境にも優しい
グラスウールの最大のメリットは、価格の安さです。
現在生産されているグラスウールの大半は、資源ごみとして出されたガラス材を使用しており、他の断熱材に比べるとはるかに安く入手が可能です。
それでいて、リサイクルのガラス材を使用しているため、SDGsの観点からも環境に優しい素材となっています。
耐久性が高い
グラスウールはガラス繊維で構成されているため、化学変化や経年劣化・腐食等をするリスクが非常に少ない素材です。
また、薬品や溶剤による劣化もしにくく、耐久性が非常に高いため、何十年も暮らす住宅への用途に適しています。
防火性が高い
グラスウールはガラスが主原料なので火に強く、燃えにくい材料です。
火災時にも延焼や類焼を最小限に抑えられますし、煙や有毒ガスも発生しません。
加工がしやすい
グラスウールは、綿状なので切ったり・曲げたり自由に加工できるのが特徴です。施工箇所の形状に合わせて様々な加工が可能です。
住宅の構造に合わせて柔軟に使用することができます。
素材の安全性が高い
グラスウールはシックハウス症候群の原因の一つといわれる。ホルムアルデヒドを原料に含みません。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群との関連だけでなく、発がん性が指 摘されている有害物質です。
グラスウールは、住宅で生活していく人が安心して生活できる素材です。
デメリット
湿気・湿度に弱い
グラスウールの弱点は、ずばり水分に弱いところです。
グラウウール自体には、吸水性はありません。しかし繊維の間の空気層に水分が入ると断熱性能が失われてしまいます。
グラスウールを施工する場合は、防湿フィルムなどの水分対策を万全にする必要があります。
性能を十分に発揮させる施工が難しい
グラスウールは高い断熱性能を備えていますが、施工時に隙間が生じてしまうと素材の断熱性能に見合った効果を発揮しにくくなる場合があります。
グラスウールを隙間なく施工することは難しいと言われています。
デザインハウス甲府では、グラスウールの特性を理解し、その性能を最大限に発揮できるように気密測定の実施・サーモカメラを使用して断熱の欠損がないか、自社検査を実施しています。
防湿フィルムの合わせ目に防水テープを貼り、タッカー(ホチキスのようなもの)の止め部分にもテープ処理を行っています。
断熱材の欠損がないか、人の目では分からいのでサーモカメラを使用して全部の壁・天井・屋根を検査します。
まとめ
本日は、多くのメリットを持つグラスウール断熱材ついて紹介をさせて頂きました。
メリットが多い分、しっかりとした施工・検査をしないとその性能は十分に発揮されません。
逆を言えば、しっかりとした施工・検査をすれば、グラスウールは非常に優れた素材であるということです。
このことが、私たちデザインハウス甲府がグラスウールに拘る理由です。
デザインハウス甲府は、グラスウールの多くのメリットを理解した上で、その性能を十分に発揮できるように日々検査を行っています。
住宅は、決して安い買い物ではありません。
実際に施工をお願いするハウスメーカー・工務店選びは慎重にしてください。